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2.Re-The First Night
「俺、悩んだんだけど。
やっぱここまで来たら、
記念すべき初夜にしようぜ」
両腕を胸の前で組んで、玄関のドアに向かって立ったまま、顔だけこっちに向けた達己が、唐突に言った。
「ふぇ?」
思わず、変な声が出てしまった。
朝起きてからずっと帰れビームを浴びせていたのに、まったく気づく様子もなく、朝食を食べた後、結局昼近くまで、達己と好きなプロ野球の話とか、どうでもいいことを話して、ダラダラくつろいでいた邪魔な兄が、ようやく帰ってくれたところだった。
「記念すべきって……?」
私が体験したことのないような
すっごいエッチ?
達己のすごいテクニックは、
イタリアでも、何度かギリギリまで体験済で、
私だけ、果ててしまうのが申し訳なくて、
私も頑張ったつもりだったけど、
それはやっぱりノーマルな域を抜けてなくて……。
それ以上って言ったら、
あんなこととか、
こんなこととか
「あ、アブノーマル……」
考えていることが、思わず口に出てしまうと、
達己はブッっと吹き出した。
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