第2章 サンディール王国

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蓋が着いたバケツの様な鍋とY字型の金属の2枚の板と真っ直ぐな金属の棒のセットだ。 使い方が商品の後ろに置いてあるボードに図解されている。 Y字型の板を焚き火を挟んで地面に刺し、バケツの取っ手に真っ直ぐな棒を通してY字の上に乗せて使う様だ。 これならいちいち石を集めて簡易釜戸を作らなくて済む。 「兄さん、お目が高いね。旅のお供にお薦めの一品だよ」 「おう、しかし高いな」 鍋セットの値段は10000ゴル。普通の鍋が1000~2000ゴルで購入出来るので、かなり高額である。 「どんな地面にも刺さる様に魔方陣が刻まれているのさ」 「これを買ったら路銀が底をついちまう。また今度にするよ」 「一括購入なら8000にまけるよ」 「悪い。無理だわ」 スイーツなら幾らでも払うイーゴだが、ここは冷静だった。 「・・・・5000ゴル!これ以上はびた一文まけられねえ」 値札の半額だ。内心欲しいと思っていたイーゴは嬉しそうに金を支払い、鍋セットをボックスに入れた。 「こんなにまけて儲けが出るのか?」 「この鍋セットはうちのオリジナルでね」 新しい鍋セットを店主は平台に置く。
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