第2章 サンディール王国

7/10
前へ
/88ページ
次へ
ランチタイムも終わる時間だったので、珍しく空席がある。 空いている席に腰を掛けると、目の前にごった煮の乗った大皿が置かれる。この店唯一のメニュー、ボア肉のごった煮だ。 大きめにカットされたボア肉と野菜が、ハーブと塩で味付けされたアッサリしているがコクのあるスープで煮込まれている。 肉と野菜は小皿に取ってピリ辛ソースを付けて食べる。 どんな大男でも1杯で満腹になると言われるほど、ボリュームたっぷりだ。 カウンターの1段高い所にある籠に入っているのは店主の妻の手作りパン。食べ放題である。 ごった煮の煮汁はスープとして飲んでも絶品だが、このパンに浸して食べるのが格別だと常連は口を揃えて言う。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加