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1人は扉を閉めて中に戻り、もう1人は荷物を肩に担ぎ上げるとイーゴの方にやって来た。
「あの・・・・」
イーゴは男を呼び止めた。
「高ランカーの冒険者の方ですか?」
「おう、俺はSランクだ」
「徴兵の任期が終わったのですか?」
「なんだ、兄ちゃん知らないのか?国の方針が変わって、強制的に軍に所属させられた冒険者は希望すれば自由になれる事になったんだぜ」
「ああ、それで・・・・。おめでとうございます」
「ありがとな。これからギルドを立て直さなくちゃいけねえから、大変だけどな」
男はニヤッと笑うと大通りをギルドの方に歩き出した。
国内外の平和が続いた事、高ランカーを引き抜いた影響でギルドが衰退し、国民の生活に多大な不具合が生じた事等が相まって、5年続いた富国強兵策が漸く撤廃されたのだ。
奇しくも脱走兵として手配されていたイーゴも、これからは大手を振ってこの国を訪れられるし、ギルドカードを提示して依頼を受ける事も出来るのだ。
詰所から大通りを挟んだ向かい側に目新しい白い建物がある。
イーゴが冒険者と話をしている間、その建物には次から次へと老若男女が吸い込まれて行った。
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