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「よくぞ言った。こうなったら最高にしつこい女目指せ」
「はいっ!」
「おう、ここで気合入れろや」
「がんばりますっ」
「かーっ!? 声が小せえんだよオメェはよー!」
「はいっ!! 一生ついて行きますアニキ!!!」
「あ、透さんだ」
「え゛!?」
振り向くと、すぐそこに竹澤さんの背中がありました。
お昼をここで過ごそうとしていたのでしょうか、私達がいたせいか向こうに歩いて行ってしまいました。
「今の、見られたか? まぁいい。これも作戦だと思え。いいか瀬野、あくまで挑戦者はクレバーに立ち回るんだ」
クレバー、ですか。私などに出来ますでしょうかアニキ。
「そういえば。アニキは蔵元先輩とどうだったんですか? 出張」
「あ!?」
途端、顔が真っ赤になってしまいます。まぁぁ、何て可愛い人なんでしょう。純情な人を苛めたくなるの、分かります。
「ぬふふふ。くればぁに立ち回ったンスか? えぇ? アニキィー。どうなんスかぁ。てぃくび摘んだんスかアニキーねぇってばぁー」
「バッカ! 別に何もねぇよっ! このタコ!」
「ひでぶー!」
冗談だったのにおもいきりチョップされました。
女子の脳天にチョップお見舞いするなんてこの人酷くありませんか。
「あ、蔵元せんぱいですよアニキ」
「え゛!?」
蔵元先輩もまた私達を見て去って行ってしまいました。
嫉妬してくれたらいいのに。
私は意地悪なきもちで思いました。
これがクレバーに立ち回るという意味なんですね? アニキ。
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