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あ、私今日体調が悪かったんです。そうでした。それで体がお酒に負けてしまったんですね。
隅っこに寝かされました。ぐるぐるしていますが、皆さんの声は聞こえます。
「竹澤さんってどんな人がタイプなんですかぁー?」
それ、私も知りたいです。超知りたいです。
「うーん……笑顔がかわいい子かなぁ?」
ほっほう。来週から皆さんこぞってニコニコしていることでしょうね。
「片桐、送ってってやれよ。お前がこの子にたくさん飲ませたんだろ」
この子だなんて、私はやっぱり小娘ですか。そうですか。
「いやいや、俺こんな産廃抱えて歩きたくないですよ」
産廃? まさかとは思いますが産業廃棄物のことですか?
「俺今から蔵元達とカラオケ行くんですよ。透さんカラオケ行かないでしょ? だったら帰るついでに送ってってやって下さいよ。可愛い小動物を助けるような寛大な心で」
アニキの提案に、すかさず外野からブーイングが挟まれます。
「えー? だって勝手に瀬野さんが飲みまくって倒れたんですから、竹澤さんや片桐さんが送る必要なんかありませんって! カラオケ行きましょうよぅ~」
A子ちゃんです。
「そうですよぉ、竹澤さんもたまには私達にも付き合って下さいよぉ」
更にB子ちゃんも続きます。C子D子……女の子達が次々に縋ります。
あぁおふたりはなんて人気者なのでしょう。
イケメン万歳ですものね。誰だってイケメンと過ごしたいのですものね。
だから産廃女は1人で帰れって話なのです。えぇ。
100年前から知っていました。
「あーあのーひゃいひゃい……すびばせん……。わたひ1人でかえれますので、大丈夫なんで、みなさんはカラオケいってくだしゃい。……フヒヒっ!」
愛想良く微笑んで、1人お店を出ました。
いいんです。
リア充の皆様は朝までカラオケでどんちゃん騒ぎをすればいいんです。どうせ私なんてカラオケ行ってもきよしのズンドコ節くらいしか歌えませんし。
それにしても夜の街、ネオンが煌々とした街。おしゃれな人達。華やかな街はどうしてこんなに寂しいのでしょうか。
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