第57話 誓い

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結婚式を終え、デートをする予定の私達は外に出ました。 これからの予定を言わない先輩について行き辿り着いた先はシティホテル。結婚式場から近いところで、東京の中でも特に人気のホテルらしいです。 今その上階の夜景が一望出来るラウンジで、軽くお酒を飲んでいるところなのですが……。 「あの、どうして急にここへ……?」 どうして急に、ラウンジなんでしょう。 今日はいつもと違うところに行くとあらかじめ言われていましたが……。 「お前もせっかくおめかししてるんだし、たまにはいいだろ?」 「あ、なるほど」 せっかくお洒落してるのだから寄り道でも、という事なのですね。 景色が一望出来るラウンジ、とっても雰囲気があって素敵です。でも……本音を言えば私は今日はすぐにでも先輩と2人きりになりたいと思っていたので、ちょっとうずうずそわそわしてしまっています。 「瀬野?」 「あ、はい!」 「何ぼけっとしてんだ。疲れたのか?」 「いえ! そんな事は! 元気モリモリでございますっ!」 そうじゃないんです。 2人きりになって、触れ合って確かめたくて。 「俺さぁ、これからも仕事続きでなかなか会えなくなると思う」 「……そうなんですか……」 それは非常に悲しいお知らせでした。この3週間会えなくて本当に辛かったのに、またこれからその思いを味わわなければいけないのですね。 いえ、今以上? ……イヤだな。 「というわけだから行くぞ」 「へ?」 先輩は立ち上がり、私の手首を強引に引っ張っていきます。 もう帰るのですか? エレベーターに乗せられます。1階に降りるのかと思えば、ランプはここよりもさらに上の階に灯っているではありませんか。 「え、あのっ……せんぱいっ……?」 「ホテルに来たからにはホテルに泊まる。これ常識」 そう言ってポケットの中からルームキーを見せてくださりました。 まさか、このままお泊り、ですか。
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