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真名がいるという安心感と共に、早く何とかしろという思いで真名の肩を乱暴に揺らしてしまう。
今までも、何が起こっても真名が何とかしてくれた、助けてくれた。真名をうざったいと感じながらも、無意識に頼ってしまう。
「おい!」
その時、部屋の奥の方からドスの効いた男の声がした。
「ピーピーうるせぇ……」
「あ、ごめんなさい……」
不機嫌そうにこちらへ歩いてきたのは……真栄田だった。
「お前……真栄田」
「よぉ、こんな場所までお前と一緒なんて反吐が出るぜ金子クン」
相変わらず口の減らない奴だ。こんな状況でも焦る様子もない。
「あーちなみに俺もこの部屋の事は知らないぜ。目が覚めたらここに閉じ込められてた」
最初からお前みたいな馬鹿に期待していないと心の中で毒突く。
「そっちの女子2人も、何も知らないってよ」
真栄田が後ろの方に視線をやる。
見ると部屋の隅の方で女子が2人縮こまっていた。
片方は黒髪ロングの気の強そうな女、もう片方は眼鏡をかけた地味そうな女。
「牧島よ。部活中にいきなり視界が真っ暗になって、目が覚めたら……」
「赤城です。私もです……委員会の会議の途中に……」
どちらも怯えるほどではなくても、動揺はしているようだ。
「で、そういうお前はどーなんだよ、お前が一番怪しいんじゃねーの」
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