第1話 忘却の始まり

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 真名がいるという安心感と共に、早く何とかしろという思いで真名の肩を乱暴に揺らしてしまう。   今までも、何が起こっても真名が何とかしてくれた、助けてくれた。真名をうざったいと感じながらも、無意識に頼ってしまう。 「おい!」  その時、部屋の奥の方からドスの効いた男の声がした。 「ピーピーうるせぇ……」 「あ、ごめんなさい……」  不機嫌そうにこちらへ歩いてきたのは……真栄田だった。 「お前……真栄田」 「よぉ、こんな場所までお前と一緒なんて反吐が出るぜ金子クン」  相変わらず口の減らない奴だ。こんな状況でも焦る様子もない。 「あーちなみに俺もこの部屋の事は知らないぜ。目が覚めたらここに閉じ込められてた」  最初からお前みたいな馬鹿に期待していないと心の中で毒突く。 「そっちの女子2人も、何も知らないってよ」  真栄田が後ろの方に視線をやる。  見ると部屋の隅の方で女子が2人縮こまっていた。  片方は黒髪ロングの気の強そうな女、もう片方は眼鏡をかけた地味そうな女。 「牧島よ。部活中にいきなり視界が真っ暗になって、目が覚めたら……」 「赤城です。私もです……委員会の会議の途中に……」  どちらも怯えるほどではなくても、動揺はしているようだ。 「で、そういうお前はどーなんだよ、お前が一番怪しいんじゃねーの」     
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