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少女はまるで動揺せず、真栄田の顔の前でピースサインを作り、挑発している。
そして、そのピースサインを保ちながら真栄田の瞼に触れると、パンッという爆発音と共に真栄田床に転げ落ちた。
「ああああああああああああああああ……」
真栄田の周りには、踏み潰されたゆで卵みたいな白いものが散らばっていた。
一瞬で理解した。少女は真栄田の眼球を、破裂させたんだ。
「まだやる? 次は殺さない自信ないなぁ」
「……っ!」
真栄田は何も言わなかった。言えなかったというべきか。
「さて、他に意見がある人はいるかな?」
……こんな状況で質問できるものか。
誰一人として口を開くことは無かった。
聞きたいことなら山ほどある。そもそも僕たちはなんで……。
「……あ、今なんで僕たちはこんな部屋にって思ったでしょ」
少女に指を指され、僕は心臓が破裂しかけた。
こいつ、人の心まで読めるのか。
「それはね、幸福に肥えた愚かな人間……いや、下等生物共に今ある幸福の重みを体感してもらうためさ」
少女の明るい表情は崩れなかった。それが余計に不気味に思えた。
「君たちの幸福は、誰のおかげだと思う? 親、友人、環境……違う。全てボクたち、天使によって生み出された幸せなんだ」
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