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自分で殺しかけておいてエルは本当に忘れていたようだ。
「ボクとしたことが、感情に任せてゲーム参加者を殺しかけてしまった。この状態でゲームに参加しろと言うのも酷だろう。まぁボクも悪魔じゃない、彼には特別にゲーム辞退を認めようと思うんだけど、どうかな?」
エルは笑顔で僕たちに提案した。
意外だ、こいつに申し訳ないだのお詫びなんて発想があったなんて。
「早く、部屋から出してあげてください……じゃないと」
「うん、辞退は認めるよ。ただし……それは彼の生命が終わった時さ」
エルが右手でピストルのポーズを作り、それを真栄田に向ける。
次の瞬間、真栄田の身体は内側から膨張し始め、あっという間に風船のように肥大化する。
「言っただろ? 君たちに認められているのは生命の放棄か、幸福の忘却。そのどちらか。それ以外の選択は、ボクが許さない」
エルはそう言ってピストルのポーズを崩す。
その瞬間、真栄田の身体は膨張に耐えきれずに醜く破裂した。
純白で覆われた部屋が、一瞬で赤黒い臓物で染まった。
「うっ……」
僕以外の女たちは皆口元を抑え、目を必死に逸らしていた。
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