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僕をクラスの晒し者にし、気が済んだのか真栄田は僕を突き飛ばして背中を向けた。
「……ど、DQNが」
僕は心のむかつきを吐き出すように、小声でつぶやいた。
しかし、その瞬間に真栄田は足を止め、こちらを振り返った。
「あぁ!? てめぇ聞こえてんぞコラァ! もういっぺん言ってみろ」
すごい勢いで僕の胸倉を掴み上げ、壁へと叩きつける。
「お前本気で痛い目見ないと分からねぇみたいだな、ちょっとこっち来いよ」
真栄田の声には先ほどまでの軽さは無く、ドスが聞いた重い声だった。
「た、たすけ……」
教室の隅から隅へ視線を送る。だが指を指し笑う者、スマホで撮影をする者はいても、僕を助けようとする人間は誰1人としていなかった。
僕はそのまま真栄田に襟首を掴まれたまま教室から連れ出された。
「……っくそ、クソDQNが……低能で底辺な落ちこぼれの癖に……」
あの後、教室から連れ出されて屋上で暴行された。挙句の果てに弁当は踏み潰され、とても食える状態ではなかった。
「くっそ! あんな奴、社会に出たらどうせロクな職にも就けずに……僕の方が上になるんだ……」
廊下で人目も気にせず大声を出してしまう。僕の周りから生徒が遠ざかっていくのが分かったが、それでも止まらなかった。
「屑……屑……屑が」
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