第4話 赤城 有紗の忘却

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 その提案に、エルも真名も驚いたように固まった。  僕の決意はそれでも覆らなかった。 「なっ、修ちゃん……なんで、なんで!」  先に動いたのは真名だった。僕の前に立ち、何度も肩を揺さぶる。 「黙ってろ、お前は何もしなくていい」 「ほう、幼馴染だけでも助けようと正義のヒーロー気取りとは……君はこの中じゃ一番無縁そうに見えたけど」  エルはニヤニヤしながら言った。  確かに、僕はそんなものとは無縁だ。  けれど、ここでゲームを終わらせるためにはこの手段しかない。 「そんなんじゃない、ただ……このふざけたゲームを一刻も早く終わらせるためだ」 「では、君が人柱になってゲームを終わらせると?」 「人柱でも何でもいい。次がこのゲームのラストだ。俺が……全て終わらせてやる」  俺はエルを睨み付け、そう言い放った。  
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