第六章 一騎打ち

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 家に戻り玄関の鍵を掛けた賀陽は、少し考えてからドアガードも掛けた。  それから、部屋の電気を消して真っ暗にした。  ベッドには入らず、窓とソファの間に身を隠して時間をつぶす。  1時間ほど経ったところで、玄関が開いた。 (来た! ドアガードが掛かっているから、諦めるか?)  様子を伺っていると、隙間からニュッとごつい手が入り、いとも簡単にドアガードを外した。 (おお! 手慣れているな!)  感心して見ていると、数人の男が入ってきた。  これは、予想外だった。  来るとしても、豪臥一人だと思っていた。 (仲間を連れてきたか……)  昔の仲間とは距離を置いていると思っていたが、最近、復活したのだろうか。  誰も何も喋らないで、まっすぐベッドルームに入ったがすぐに出てきた。  間違いなく、賀陽を捜している。このままでは、見つかるのは時間の問題だろう。  豪臥一人なら組み伏せて知っていることを白状させてやろうと思っていたが、複数ではとても敵わない。  賀陽は、さっさと逃げることにした。  窓を開けて出ようとした賀陽の姿は、すぐに気づかれた。 「いたぞ!」 「捕まえろ!」  捕まる前に、ベランダから下の階に飛び降りる。  慌てて追ってきた豪臥たちも、賀陽に続いて飛び降りた。
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