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この10年間で、世の中は変わった。
同級生たちも、変わった。
待子だけが、何も変わっていない。
家にこもっている限り、変わりようがない。
外に出て、他人に接触しないと何も始まらないのだと気が付いて、こうして動きだしたばかり。
そんな真知子には、探偵に調べられる心当たりなど全くない。
「更科往子さんを知っていますよね。仲が良くて、よく遊んでいたはずです」
「更科……往子……」
その名を聞いた途端、待子の動悸が激しくなり、頭が混乱してふらついた。
そんな待子を、賀陽は咄嗟に立ち上がって支える。
「大丈夫ですか?」
「ちょっと、目まいが……」
「ここに座って」
賀陽は、待子を強引に椅子へ座らせると、コップに水を汲んできて待子に持たせた。
「水です」
「ありがとうございます……」
待子は、水を一口飲んだ。
少し、落ち着いた。
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