第一章 催眠術探偵登場

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「分かったよ。その代り、決して、二人きりになるのはやめるんだ。催眠術を掛けられる時は、必ず俺が同席する。これなら、いいだろ?」 「それは、助かります。正直、ちょっと怖かったから」 「ようし、そうしよう」  豪臥は、気合を入れるとともに、真剣な目で待子を見つめた。 「本当は、こんなタイミングで言うつもりじゃなかったんだけど……」 「なんですか?」 「待子ちゃん、俺と付き合ってくれないか?」 「え?」  あまりに唐突な話となったので、待子は状況を飲み込めないでいた。 「どういうことですか?」 「待子ちゃんを好きだから。ここに通っているのも、君が目当てだった」 「知りませんでした。毎日来るから、相当本好きなんだと信じていました」 「本は読むけど、それよりも、君を見ている方がずっと楽しい」 「……」
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