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「分かったよ。その代り、決して、二人きりになるのはやめるんだ。催眠術を掛けられる時は、必ず俺が同席する。これなら、いいだろ?」
「それは、助かります。正直、ちょっと怖かったから」
「ようし、そうしよう」
豪臥は、気合を入れるとともに、真剣な目で待子を見つめた。
「本当は、こんなタイミングで言うつもりじゃなかったんだけど……」
「なんですか?」
「待子ちゃん、俺と付き合ってくれないか?」
「え?」
あまりに唐突な話となったので、待子は状況を飲み込めないでいた。
「どういうことですか?」
「待子ちゃんを好きだから。ここに通っているのも、君が目当てだった」
「知りませんでした。毎日来るから、相当本好きなんだと信じていました」
「本は読むけど、それよりも、君を見ている方がずっと楽しい」
「……」
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