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待子は、本が友達というほど、本好きだ。
だから、本だらけのこのカフェを見つけたときとても感激し、バイト募集もしていなかったのにオーナーに頼みこんで雇って貰ったほど。
実際に働いてみると、理想通りの職場だった。
古い本の匂いと、コーヒーの香りに囲まれて。
パラリと紙をめくる音と、コーヒーをすする音だけしか聴こえてこない素敵なカフェ。
その魅力が分かる、本好きの仲間なら大歓迎。
「そうです。ここは、図書室をイメージしたブック・カフェです。置いてある本は、ご自由に読んでもらって結構ですよ」
「それは、大丈夫です。本が目的ではないので」
本に興味があるのかと思いきや、そうでもなかったようであっさりと断ってきた。少し、ガッカリした。
「では、ここに来た目的は、……パフェですか?」
賀陽の前にあったスペシャルビッグパフェは、綺麗に食べ終わっている。
「ああ、ハハハ……。頭を使うと、脳が甘いものを求めてしまうんです。お代わり、もらえますか?」
賀陽は照れ笑いをしたが、すぐに次を求めた。
「かしこまりました」
通常より2倍は大きいサイズなのに、まだ食べるのかと驚く。
待子は、新しくスペシャルビッグパフェを作って出した。
賀陽は、それを嬉しそうに食べだした。
そして、あっさりと食べ終わった。よほど、甘いものが好きなのだろう。
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