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つい今しがた貰ったピンク色のそれを手にしたままカナをぎゅっと抱き締める。
「カナからしか貰わないよ」
「ひゃっ……!?」
「カナ以外の子のチョコはいらない」
「……~~っ!!」
力強く抱き締めて本音を伝えると、カナは頬を赤く染めて照れた顔をして口をはくはくと開閉している。あー可愛い。
「帰り、遅くなってごめんね。チョコ全部返してたら遅くなった」
「やっぱり貰ってたのね」
「だから返したってば。なんなら確認する?」
「……いいわよ。優は嘘つかないもの」
信頼してくれてると分かりホッとするも、嫉妬してくれたことが嬉しくてクスッと笑う。
「カナ」
「何?」
「こっち向いて」
言われるがまま目線を合わせた彼女の唇を優しく塞ぐ。
それは一瞬のことで、すぐに唇を離した。
顔を真っ赤にして見上げてくるカナにふわりと優しく笑う。
甘いものは大好き。だから今まで沢山チョコを貰えるバレンタインというイベントは大好きだった。
けど今は愛しい彼女がいるから。
不特定多数から貰うチョコより、彼女一人から貰うチョコの方がずっとずっと大好きだ。
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