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「あんた、毒舌だねー」
渚が呆れ顔で言う。
「思ったことを言っただけだよ?」
私は正直に生きているだけだ。嘘をついてまで好感度を上げようなんか思わないし、渚がいてくれたらそれでいい。
「愛の言葉はときどき、グサッとくるんだよね。」
まぁ、私は愛のその性格好きだけどねと渚は言った。やっぱり渚は分かってくれる。
「おはよ」
教室の扉を開け、入ってきたのは凜太郎だ。凜太郎が入ってくると、女子たちは一斉にチョコを持って凜太郎に群がった。
「凜太郎くん!チョコあげる~」
「風間くん、チョコお口に合うか分からないけど…」
「凜太郎!これ一生懸命作ったから、受け取って?」
「あ、……ありがとう」
目の形がハートの女子たちと、若干引き気味の凜太郎。
凜太郎は剣道部で、背が高くモデル並みのルックスをもっている。だが、渚曰く、凜太郎は中学の時まで背が低く、中学には剣道部が無かったため地域の剣道場に週5で通っていたらしい。中学の時は女子と会話したこともなく、バレンタインには渚くらいしかチョコをもらえていなかった。
今、とても戸惑っているらしい。凜太郎は、女子が苦手なようだ。
「凜太郎、おはよう」
凜太郎はチョコを抱えて席についた。凜太郎の席は、私の前の席だ。
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