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数十分経つと、流石に疲れたのか、2人は静かになり、ソファに座りなおしている。
俺は2人の向かい側のソファに座って、ちょうど面接しているようになってしまう。
「えっと……落ち着いた?」
2人に話しかけると、同じタイミングでこくんっと頷く。
「まあでもそうね、それはそれで楽しい気はするし、観察はさせてもらうわよ?」
「ああ。別にそれはお前の自由だ」
「……ちゃんと幸せになりなさいよ? そうでないと私とお父様が浮かばれないわ」
「それは保証する。絶対に」
赤月が話のわかっていない俺に目を向けて言う。
「その為なら私も手伝うわ。必要になったら呼びなさい」
「ああ。ありがとう」
一旦、話が終わったのか、また沈黙が降りる。
「話が全然見えないんだけど」
堪らずそう言った。だが、俺の言葉は同時に声を発した赤月の言葉で遮られ、説明も何もなくなってしまった。
「あー、腹減った。ちょっと持ってくるわ」
そう言ってキッチンの方へ向かう。ガサゴソと音がする。
「あいつ、料理なんてできたっけ」
ふと、小鳥遊から不安を煽るような言葉が漏れる。
すると、ものの数分でロビーに赤月が現れ、テーブルの上にそれを並べていく。
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