6人が本棚に入れています
本棚に追加
Q.好きも嫌いも紙一重
気づけばファストフード店で赤月と一緒に食事をしていた。
今だに整理し切れていない頭で、フライドポテトを口に運ぶ作業を繰り返し行っている。
俺が手を伸ばし、そのフライドポテトを掴もうとすると。
「はい、ストップ。口が休まればポテトを口にして、を永遠に繰り返している藤咲を見るのは面白いけど、もう飽きた。というかもう無いし」
そう言って、赤月はポテトが入っていた紙の箱を見せる。
そして手持ち無沙汰に爽健美茶をストローで飲み干す。ずずずっと音が鳴る。
「なあ、……全然頭の整理ができてねえんだけど……」
「ん? 良いんじゃないの、別に」
話を終わらそうとするな。わざとか。
「2、3質問して良いか?」
「ダメって言ったら?」
「刺す」
思い切り睨みつける。
いや、刺すって言っても、包丁とかカッターとか鋏とか、そんな物騒なものは持ってないんだが。精々刺せるものと言ったら、ストローと指くらいだろう。
「おー、怖い怖い。まあ、別に良いけど。聞きたいことがあるだろうから帰らずにここに寄ったんだし。俺も言いたいことあるしね」
そう言い終えると、どうぞ、と掌を俺に向ける。
「……まず最初に……俺のことは覚えてるのか?」
最初のコメントを投稿しよう!