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「だから、面白い反応が見れるかな、と」
店のトレイで頭を叩く。良い音がした。
だが、ダメージは全くない風で、無表情で赤月は続ける。
「実際面白いこと起こってるし。しかも、俺だって驚いてるんだけど」
「え?」
「普通、同性からキスされたら、抵抗なりなんなりするでしょ。ねえ、なんでしなかったの?」
「それは……。思考停止してたし、体が動かなかったんだよ」
それだけではなかった。あの時の赤月の目に吸い込まれてしまいそうだったから。
「……やっぱりまだ気づいてないんだね」
ふと、赤月の目元が翳る。
どういう意味かと首を傾げると、赤月はこれまた俺を混乱させることを言ってのけた。
「お前は、俺のことが好きなんだよ」
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