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「別に今更どうとかじゃねえけどよ。それ以来、あいつから無視されるわ、目線さえ合わせてくれないわで。……んで今これだぞ。話しかけられねえだろ」
「で、でも、赤月が席に着いた後、よろしくだかなんだか言ってなかったか? 多分覚えてねえんだよお前のこと」
「覚えてないほど嫌いだったのかぁぁああ……」
静の言葉で尚更傷ついた。という演技をし、机に突っ伏す。静はあたふたと、俺を一生懸命慰めようと努力してくれているが。
でもそうだ。静の言った通り。あいつは俺の顔を見て、何も気づいてない感じで話しかけてきた。それはつまり、覚えてないのか。そうか……。まあ、嫌いなら、そうなのかもしれないな。
「でも、なら、今からでもって遅くはねえよな?」
俺の独り言が聞こえたのか、静は力強く頷く。
「そうそう。仲直りも兼ねて話しかけるのが良いと思うぞ」
今だに女子に取り囲まれている転校生を見てみる。
俺の記憶の中にある幼さはすっかりと消え、体格も身長も大きくなり、変わっているところはたくさんあるが。幼馴染の面影は全然変わっていなかった。笑顔になると尚更、昔の幼馴染に近づく。
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