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「ああ、ごめん。本題に入ろうか。えっと、俺のことが好きって? ごめんだけどお断り。初対面で俺のことを何も知らないくせに彼女になろうなんて傲慢だよ」
女の子に向かって冷たい目線を変えずに、吐き捨てるように発言する。
「こ、これから知っていけばいいじゃない。それが恋人でしょう?」
「何に焦っているのかわかんないんだけど。彼氏がいるってレッテルが欲しいなら他の奴にしなよ。お前じゃ俺は釣り合わない」
女の子への呼び方が「お前」に変わる。
だが、女の子も折れない。ここまで来れば諦めればいいのに。そこまでして彼氏が欲しいのか、赤月がいいのか。
「どうせ好きな人いないでしょ。転校生なんだから。……そうよ。赤月くんの言う通り、私はかっこいい彼氏が欲しいし、周りからそう思われたいの。赤月くんだって可愛い彼女が欲しいんじゃない?」
そしてとうとう、女の子までも豹変した。半ば投げやりで、危うげだが。
というか、俺はとても逃げ出したい状況なんだが、赤月の手が強く掴んで離れない。
「それが傲慢だって言ってんだよ。俺は彼女なんていらないし作らない。あと、お前は可愛くない」
ちょっとそれは……!?
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