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翌日、目覚めると志摩の手の中で、場所も気にせず、志摩に甘えてしまった。
光二とチェンジしているが、ここはホテルの一室で、まだ家に帰れていないのだ。横には氷渡が、まだ眠っていた。
「……志摩、お風呂を造ろうね」
「はい、守人さん」
志摩の声に、氷渡も起き上がり、驚いていた。
「志摩、声が戻ったのか……良かった」
氷渡が、半分裸で寝ていたので、夜は光二と楽しんでいたのかもしれない。氷渡は、自分の姿を見ると真っ赤になって、朝風呂に向かって行った。
「志摩も、もうすぐ仕事か。瀬々木さんの家に到着したら、呼ぶからね」
「はい」
志摩の指が、俺の背を撫ぜて、服の中に入ってきていた。
「守人さんの肌は、張りが合って気持ちいいです」
志摩の指にキスをすると、指が真っ赤になっていた。
「志摩、大好きだよ」
「はい、私も守人さんが大好きです」
志摩は喫茶店ひまわりでのモーニングがあるため、戻っていってしまった。俺が茶を飲みながら景色を見ていると、氷渡が戻ってきていた。
「食料不足で、客が怒っているよ」
朝食のパンが届かないので、和食のみになったが、どうも全員分は用意できないらしい。
朝食なしにしてくれたら、宿泊費を割り引く、もしくは土産を進呈するなどをホテル側が申し出ていた。
土産は食べられないものばかりだが、何故か酒も混じっていた。
「酒でいい。俺は酒造元に行きたかった」
「はいはい。では、酒で手を打ちましょ」
身支度を整えると、チェックアウトのために、ロビーに行く。氷渡が丁寧に、瀬々木の説明をしてくれたので、スムーズにチェックアウトができた。そこで、日本酒を選んでいると、氷渡が神妙な顔になっていた。
「芥川、全員分の二泊を支払い済にしていたよ。マメだな」
帰る時に、先払いをしていたらしい。
「それで、日本酒を三本、選んで良し!」
俺が、一升瓶を三本取ると、店員が笑っていた。
「じゃ、帰ろうか……」
食料は、救援物資がヘリで運ばれるとなっていた。もう少しで、やって来るだろう。
「上月、ここで食糧を出したら、又、厄介でしょ。帰るよ」
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