朱火定奇譚 前編

第二十二章 生きている森 二

「光二、チェンジするよ」

　たらふく食べたので、光二にチェンジしようとすると、谷津からコメントが入っていた。

何かと見ると、今日襲われた少年が、行方不明になったという。

「谷津、何があったの？」

　急いで電話をかけてみると、谷津は画像を送ってきた。

少年は、歳の離れた姉の子供を保育園まで迎えに行き、そのまま行方不明になっていた。

迎えに来ない保育園側が、自宅に連絡して、行方不明と分かったらしい。

「携帯電話も何も持っていなくてさ、少年の現在位置が分からない」

「それでは、あの営業二人の居場所は分かるの？」

　すると、営業二人は、警察の事情聴取を受けているところであった。