プロローグ

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プロローグ

『夢』。記憶の有無に関わらず、人間なら誰しも一度はそれを見た事があるでしょう。楽しい夢、悲しい夢、怖い夢。様々な夢がある中、私達は自らが望んだ夢を見ること、つまりは夢の内容を操作することはできません。しかしそれを、人間が空気を吸って生きているように、日本人が箸を使って食事するように、当たり前にやってのける男がいるのです。彼の名は夢路駆(ゆめじかける)。通称夢路駆(ムジカ)。彼の手に掛かれば、夢の内容を操ることは勿論、悪夢さえも簡単に消し去ってしまうことが出来るのです。彼は、現代のストレス社会の中で、自身の力を活かした『夢請負所(ゆめうけおいじょ)ムジカ』という夢に悩まされる人々を救う事務所を起こしました。私、日下部華帆(くさかべかほ)も彼に救ってもらったその内の一人で、今では彼の(もと)で働くことになりました。     
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