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「パジェット様、市子様をお借りしたいのですが」
「困るな。ウチの店は、これから繁盛期に入る所なんだ。お嬢さんが代わりやってくれんだったら、いいけどな」
「申し訳ございません。私では変わりに仕事する事はできません」
旦那さんが話にならないと厨房に引きこもろうとした時、一人の少女が旦那さんの前に立ちはだかった。
見た限りの年齢だと年下…12~15歳ぐらいだろうか?
「私の変わりにそちらの少女で手を打っていただけないでしょうか?」
「…給料はこの子に支払うっていう事ならいいぞ」
「はい。では、お願いしますね」
旦那さんが時計小鳥の魔法を唱えると、少女を厨房へと連れて行ってしまった。
私の意見なんて、誰も聞こうともしなかった。
落ち込んでいると女将さんが栄養の水薬を渡してきた。
女将さんは気が利いて、本当に優しい。
お礼を言うと、“頑張って”と言って肩を思いっきり叩いてきた。痛い。
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