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『土よ、花よ』
「へ?」
誰かの声の合図によって吐瀉物は土に包まれ、その場所に一種にして真っ白な百合が咲いた。
芳醇な香りは鼻孔をくすぐる。
直ぐにこの出来事は何かと理解した。
私の世界で所謂、魔法と呼ばれるもの。
…私の日常では起きない出来事。
「君ら、大丈夫?」
ふと顔をあげると青年が立っていた。
眩しい、太陽のせいで青年がどんな容姿なのか判らない。
この青年が私を助けてくれたのだろう。
湧きあがる感謝の心せいなのか、逆光のせいなのか、はたまたどちら共なのか、青年がとても神々しく見える。
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