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「実は、私は孤児だったのでどこの種族の人間とか知らなくて」
「あ、じゃあそちらの黒い人は君のご主人様か」
「そちらの黒い人?」
青年が指差す方に視線を辿ると、見覚えのある男性が気を失っている。
「先生?!」
私が屋上をいたのを発見した先生、臨時教師である九島だった。
確か、落ちそうになった私に手を伸ばしてくれたような…それで先生も落ちた、と考えるのが妥当だろう。
慌てふためく私とは違って、青年は冷静に先生の頬をペチペチと叩く。
先生の位置は逆光がなく、青年の容姿がようやく見えた。
亜麻色の髪に天色の瞳、彼が言うアマデーウス人という人種だった。
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