プロローグ

8/9
前へ
/47ページ
次へ
「実は、私は孤児だったのでどこの種族の人間とか知らなくて」 「あ、じゃあそちらの黒い人は君のご主人様か」 「そちらの黒い人?」 青年が指差す方に視線を辿ると、見覚えのある男性が気を失っている。 「先生?!」 私が屋上をいたのを発見した先生、臨時教師である九島だった。 確か、落ちそうになった私に手を伸ばしてくれたような…それで先生も落ちた、と考えるのが妥当だろう。 慌てふためく私とは違って、青年は冷静に先生の頬をペチペチと叩く。 先生の位置は逆光がなく、青年の容姿がようやく見えた。 亜麻色の髪に天色の瞳、彼が言うアマデーウス人という人種だった。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加