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きっと誰かにこの話をしたら そんな酷い話は無いんじゃないか。 そう言われるかもしれない。 酷く脆く 簡単に崩れる 魔法の時間。 それはたった数時間で終わる時もある。 だってそれは カメラのレンズが向けられた その瞬間だけなのです。 けれど、たったその瞬間だけは 驚くほど甘い声と優しい笑顔を向けられる。 「凄く可愛いよ、スイ」 楓さんは優しい声で私の事を レンズ越しにだけ愛おしそうに呼ぶ。 私はその時間が一生続けばいいなと思いながら 楓さんのために 笑って泣いて喘いで乱れる。 何て脆い恋愛ごっこだろう。
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