第4話 死を運ぶ者

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その体を一本の剣が貫くと、断末魔の叫び声を上げて力を失い崩れ落ちた。 レイスが投げた剣がまた一つ命を奪い取る。 それでもレイスの表情は全く変わらず、息の一つも上がっている気配はない。 「逃げるつもりならさっき逃げるんだったな」 ここにいる者達に残された選択肢はもうない。 目の前にあるのは99%の死。 戦っても死ぬ、逃げても死ぬ、その場にあるのは圧倒的なまでの絶望。 「俺はあんまり待たされるのは好きじゃねぇんだ。来ないならこちらから行くぞ」 重なった二つの死体に突き刺さったままだった自分の剣を引き抜いたレイス。 透明な刀身は夥しい量の血を浴びて真っ赤に染っていた。 もはやヴィンセントの手下達がいくら束になったところでレイスを殺す事など不可能と言える。 それ程まで圧倒的な力の差がそこにはあったのだ。 それから二分と経たぬうちに、ヴィンセントの手下は一人としていなくなっていた。
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