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周りにいた手下達もようやくそれに気付いて目を丸くした。
(あれは……何だ……?)
ヴィンセントもその不思議な剣に視線を奪われていた。
(刀身が透けている……)
ここに来るまでの間に何人もの血を啜ったその刀身には真新しい血が付着していたが、血が付着している所以外の刀身は透き通り視認出来ない。
それはまるで血が宙に浮いているような錯覚を起こす。
「随分と浅い理由で動くんだな旅人。そして随分と妙な剣を持っているようだが……」
「先に言っておく事がある」
ヴィンセントの言葉を遮ってレイスは一方的に告げた。
「これからお前を拷問して殺す。お前が自ら殺してくれと懇願するまで拷問を続ける。覚悟はもう出来てるか?」
「ふははっ!この俺を拷問して殺すだと!?舐めた口を利くじゃないか!ならば俺からも言っておこう!俺もお前を殺す。地獄のような拷問の果てに、切り刻んで町のど真ん中に捨ててやる!」
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