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誰一人として逃げ出さない手下達を見て、思わずニヤリと微笑を浮かべるヴィンセント。
「貴様の言葉には誰も耳を貸さないようだぞ。この状況、これからどうするつもりだ?」
レイスは先程斬り殺した足元の死体を挑発するかのように蹴飛ばして見せた。
「なら全員こうなるだけだ」
その光景を見ていたレンは蹴飛ばされた死体の人物を改めて確認して愕然とする。
「まさか……そんな……あの人が……」
レンはそこで倒れている人物を知っていた。
むしろその男はネフィル達と一緒にヴィンセントを討とうとしていたメンバーの一人。
スパイとして潜り込んだのか、あるいはその男自身が裏切り者だったのかは今となってはわからないが、先程レイスに斬りかかったところを見れば、誰でも後者の方が可能性としては高いと思うだろう。
もちろんまだ若いレンも例外ではなく、裏切られたというショックは心を抉るには十分過ぎた。
(信じてたのに……みんな信じてたのに……)
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