まさかの事態

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肝心の私達の恋は、なかなか進展しなかった。 違う屋台でも、 二人だけではないが、セレナと征彰君が話している処をよく見かけ、 屋台やる者同士で仕入れや調理等の事で互いに相談していただけでも、 私は嫉妬する事が増えた。 セレナはセレナで、私と勝司君が一緒にいることが多いと嫉妬してくる。 勝手にジョニーと共に宣伝隊長とされて、 取り纏め役である勝司君と個別に、“ジョニー含めて”打ち合せする事もあるだけで、 実際はジョニーと話す事の方が多いが、なかなか納得してくれない。 だから、いい加減にしてくれ、だった。 そんなお互いの嫉妬が、恋が進まない苛立ちと併せて積もり、 学祭までは些細な事でケンカも増えた。 だから、別々の時間が増えた事に寂しさを感じない処か、逆にそれがよかった。 お互い、顔を合わせたらどうなるか解ったものじゃないという時も多かった。
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