4人が本棚に入れています
本棚に追加
辺りは食せる派と食せない派に別れてのケンカになりつつあった。
セレナは自然と食せる派に寄り、あの時と同様に普通に食べた。
私は打上げの料理にGが入れられていた事にはげっそりした。
だが、あの日に免疫ができたのか、
恐怖で叫ぶでもなく、逃げるでもなく、
ただただ、気持ち悪さと疲れがどっと出ただけだった。
ふと横に目をやると、征彰君が顔を全開に引きつらせていた。
セレナがアレを食した姿を見て、ショックを受けてしまったようだ。
(そりゃ、好きな子がアレを平気で口に含むのはショックよね)
だが、その後の彼の言動は、私を無性に苛立たせた。
彼は、セレナ達に、言ってはいけない言い方で罵倒し始めたのだ。
「俺らはアフリカやアジア奥地の原住民とかとは違うんだよ」
差別に聞こえた。
セレナを貶めた。
そんな人だったなんて。
彼を好きでいた自分にもショックだった。
そして、そのショックのままに、気が付いたら私は叫んでいた。
「いい加減にして!
皆いろんな食事の事情を抱えているでしょ!
これもそれと一緒じゃないの?
食べられる人は食べて、食べられない人は食べない。
それじゃダメなの?」
辺りは急にシーンとした。
最初のコメントを投稿しよう!