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私のマーブルコーディングのフライパンは、先程Gに使われ、もう使えない。
新しく買いに行かねば。
今日は鍋でできる物を作った。
「美味シソウ! カナ、コレ、何?」
卓上に並べた料理を見て、セレナは目を輝かす。
「サバの味噌煮と蒟蒻の白和え。セレナ、ご飯入れてくれない?」
「うん、イイよ!」
セレナはしゃもじと茶碗二つを持って炊飯器の元へと行った。
初めこそは慣れない日本食の味に顔を歪める時もあったが、
すぐに克服し、何でも美味しく食べてくれる。
その点はありがたい。
彼女曰く、周りの生き物は原則、何でも食べ物になるそうだ。
だからこそ、慣れない生魚や醤油料理も、私が食べるならば躊躇なく食べた。
でも、だからこそ、今日の事件にも至ったともいう。
セレナが入れてくれたご飯と共に食事を始める。
私達の会話は至って普通の女の子がする会話と同じだ。
大学の講義のことが少しとお洒落や流行について、それから、男子について誰が何々だ等。
当初、初めてすぎて、何を話せばいいのか不安でもあった。
しかし、お喋りなセレナは、不器用な日本語で積極的に私に話しかけてきた。
そして、その中身は、なんてことない、
普通に女友達と話す事と同じだった。
気が楽になった私は、それからセレナとたくさん話をした。
彼女は日本語が上達し、今では私の一番の仲良しだ。
今日もクラスやサークルの男子の話となった。
「カナもダケレド、日本の男性も虫ヲ苦手ナ人が多イ。情ケナイ」
「情けないって、都会の人は、虫なんて殆ど見ないし」
「虫は自然ノ一部。生態系にもナクテハナラナイモノだし、太古ノ昔から共存シテキタ。ソレを無暗に恐ガッテイルのはオカシイ」
(あんた、難しい日本語をよく覚えたわね)
私は感心しながらご飯を頬張る。セレナの主張は続く。
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