コタツノヨル

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コタツノヨル

電話、かかってきた。 出たくなかったけれど、三回目だから、しかたなく出た。 だって、きっと、また、一時間も経たずにかかってくる。 励ましてもらえるんだろうって、少し期待してた。 だのに、冷たい言葉を浴びせられた。 わざわざそんなこというために、電話かけてきたのか。 ほかに電話かけたい人はいない。 メールも届かないし、メッセを送る気もしない。 とりあえずゴロンと大の字になってみた。 天井が、なんだか暗い。 ああ、蛍光灯、一つ点かないんだった。 床に寝そべっても、上半身が冷たい。 身体を丸めて、コタツの中に入ってみた。 中は温かい。 赤外線の、人工的な温かさ。 頬が紅潮するのが自分でも分かる。 温かいっていいね。 そう思ったら、涙が溢れた。 一人暮らしだけど、こうやってコタツの中で、さらに穴蔵に潜って、一人で泣きたい夜もあるんだ。
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