愛に順応してほしいだけなんだ

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「餌として食べてたら好きになったってことか」 「その通りだ。日本で進化した猫は、人間から餌をもらうために魚好きへと嗜好を変えたのだ」 「へぇー」 「つまり猫はもっと本気を出せば、人間の抱っこも大好きになれるはずなんだ! ほらマロ! こうして我々に抱かれていれば、今よりもっと美味い食べ物がもらえるんだぞ。お前たちは食の為ならプライドなどドブに捨てる生き物だろ? ん?」 「言うことが悪代官みたいになってるぞ」 「お前はこれほどまでに誘う体をしているんだ。いいじゃないか。抱かれ慣れちまえよ!」 「聞くだけだと完全に有罪のセリフだな」 「あああ柔らかい。温かい。可愛いよマロ……もふもふしちゃうよォ!」 「フギャアア!」 「――!! 痛ったぁ!」 「あ~あ。やっぱり引っ掻かれたじゃん――っぷ、うわははっ! すげー。マロ、よっぽどお前を黙らせたかったんだな」 「っく、い、痛い。なんか口がすごく……」 「だろうな。見事なバッテン付けられてるぞ」 ~完~
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