15人が本棚に入れています
本棚に追加
「餌として食べてたら好きになったってことか」
「その通りだ。日本で進化した猫は、人間から餌をもらうために魚好きへと嗜好を変えたのだ」
「へぇー」
「つまり猫はもっと本気を出せば、人間の抱っこも大好きになれるはずなんだ! ほらマロ! こうして我々に抱かれていれば、今よりもっと美味い食べ物がもらえるんだぞ。お前たちは食の為ならプライドなどドブに捨てる生き物だろ? ん?」
「言うことが悪代官みたいになってるぞ」
「お前はこれほどまでに誘う体をしているんだ。いいじゃないか。抱かれ慣れちまえよ!」
「聞くだけだと完全に有罪のセリフだな」
「あああ柔らかい。温かい。可愛いよマロ……もふもふしちゃうよォ!」
「フギャアア!」
「――!! 痛ったぁ!」
「あ~あ。やっぱり引っ掻かれたじゃん――っぷ、うわははっ! すげー。マロ、よっぽどお前を黙らせたかったんだな」
「っく、い、痛い。なんか口がすごく……」
「だろうな。見事なバッテン付けられてるぞ」
~完~
最初のコメントを投稿しよう!