0人が本棚に入れています
本棚に追加
【登場人物】
祐一(16)
SNSのトラブルがきっかけで、学校で居場所をなくす。自分の意見を言えない性格。同じクラスの澤田にイジメられている。
リョウタ
祐一の孤独な心が生み出した幻影。祐一の心の奥底に眠っていた願望である『楽園作り』を実行するように促す。
愛奈(16)
祐一のとなりのクラスの少女。暗い性格で孤独な日々を送っている。かつて、祐一に優しくされたことがあり、以来、彼のことが気になる。
【あらすじ】
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
祐一のとなりにはリョウタがいる。リョウタは優しい笑みを浮かべて言った。
「さあ、やるんだ。楽園を守らなきゃ」
祐一は大きくうなずくと、階段を駆け上がり、教室に飛び込んだ。
そして、机の椅子に座っていた澤田にむかって、持っていたナイフを振り上げたーー。
SNSのトラブルがきっかけで、学校で居場所をなくした高校1年生の祐一は、
ある日、リョウタと名乗る少年と出会う。
優しく、どんな悩みでも聞いてくれるリョウタと祐一は仲良くなっていくが、
祐一はリョウタが自分の孤独な心が生み出した『幻影』であることに気づいた。
リョウタはある提案をしてきた。それは『新しい楽園』を作るというもの。かつてアダムは楽園を追われた。そして苦しむようになった。しかし、自分で再び新しい楽園を作れば、苦しまずにすんだはずなのだ。
やがて、祐一は戸惑いながらも、リョウタとともに楽園作りを始める。
徐々に仲間も増え、自分の居場所を再び手に入れることができた。
しかし、同級生の澤田がそれを邪魔をするようになる。リョウタは澤田を排除したほうがいいと進言した。
それは「殺す」ということだ。祐一は戸惑うが、楽園を失いたくない。祐一は澤田をナイフで襲う決心をした。
結果、澤田は意識不明の重態に陥る。祐一が犯人だということはバレていない。
しかし、現場を見ていた人物がいた。楽園に最初に入ってくれた愛奈だ。
愛奈は祐一に自首するように言う。しかしリョウタはそんな愛奈を排除するように命じる。楽園を守るためである。
やがて、祐一はある決断を下す。それはリョウタと戦うというもの。人は苦しみながら生きていくべきなのだ。それを乗り越えるために、アダムにはイブがいた。
祐一はリョウタと戦う。そして消滅させた。
愛奈に連れられ、警察署にむかう祐一。楽園はもうない。
だが祐一の顔は、まっすぐ前を向いていた。
最初のコメントを投稿しよう!