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校舎の屋外に設置された階段の踊り場で目覚めた茅野一二三。
自分の名前すらわからず、意識が朦朧とする中、傍らには担任の教師・免田泰子が。彼女は茅野に「立ち入り禁止の屋上へ行こうとして階段で足を踏み外した」のだと教え、打った頭の治療のため病院へと連れていく。
病院で治療を受け、記憶も戻った茅野。しかし、その記憶になぜか彼は実感が持てない。親友やカノジョと思い出話をしても辻褄は合うし、関係する写真もちゃんと存在するのだが、どうにも違和感を覚えてならないのだ。
全寮制のため、普段は離れ離れの家族とも電話で話をするが、その家族にしてもなんだか作り物のように思えてしまう。
また、眠る度になぜか「屋上へ行かねばならない」という強い思いに駆られ、あの自分の倒れていた階段を登る夢ばかりを繰り返し見るようにもなる。
そのことを免田に相談すると、彼女は再び茅野を病院へとつれて行き、また治療(実は前回同様、記憶の再プログラミング)を受けると症状は緩和する。
が、それも長続きせず、すぐにまた言いようのない違和感が。
そして、ネットを駆使して記憶の証拠を探した茅野は、逆に自分の学校が実在していない事実にたどり着き、加えて見えている空が作り物であり、屋上へと続く階段の先は外の世界に繋がっていることを思い出す。
前にも茅野はそこへ行こうとして、その寸前に記憶を消すスタンガンで免田に撃たれたのだった。
再び屋上へ向かうが、またしても免田に撃たれて記憶を失う茅野。
そんな彼を見つめながら、免田の上司・御茶野は言う。「プログラム以外の記憶も残っているとは、このAIもずいぶんと成長したな。そんな強引に逃げ出そうとしなくても、もう少ししたら臨床実験で外に出してやるのに……」と。
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