第一章 決起3

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「そうか、年寄りや子どもなんかだと、もっと時間がかかるかもしんねぇな。……荷馬車かロバかが手にはいりゃあ、いいんだけどなぁ。ちぃっとばかし、大変か」  どうしたもんかとつぶやく蕪雑に、烏有は首をかしげた。 「ここの仲間には、そういう人たちが大勢いるのかい。僕が会ったのは、襲われたときに見た、五人ほどだけだけど」 「ああ。あんときは、悪かったな。ひとりで山に入ってきたからよぉ、こりゃあいいやってんで、腕っ節の強いのを連れて出てったんだよ。ちょうど、狩りに出ていたついでだったしな」  眉を下げて、申し訳なさそうに笑う蕪雑に、烏有はあきれた。 「襲われたときも思ったけれど、蕪雑たちは本当に山賊をしてきたのかい」 「おう。俺が十七んときに牢破りをしたから、かれこれ六年になるな」 「六年も山賊をしておいて、そんな行き当たりばったりな行動のまま、討伐もされずに捨ておかれていたのか」  驚く烏有に、蕪雑がキョトンとする。 「そういやあ、そうだな。なんで討伐隊が出てこなかったんだろうなぁ」 「誰かを襲うとき、どんなふうにして襲っていたのか、教えてくれないか」 「どんなって……、烏有にしたのと変わらねぇよ」 「取り囲んで脅して、薬があれば分けてくれと言われたね。そんなふうにして、山道をいく荷馬車や旅人を呼び止めていたのかい」 「おう」 「刃傷沙汰になったことは?」     
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