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「は、はばば!
はばばばばばば!!」
「あん?今度は何だ?」
「助けてくれ、今すぐアレを!アレを売ってくれえぇぇぇ!」
突如泣きわめき、一文字にすがる明治加賀麻。
一体全体どうした事か。
悲しきかな、既にそこにはバスケ部エースの面影は無い。
「カカオが、カカオが切れたあああああ!!
チョコをくれ!今直ぐに!」
「お前金無いやんけ。」
明治加賀麻はカカオ中毒なのだ!!
家族に反発するあまりチョコレートを食べる姿は見られたくないが、体はチョコの虜なのだった。
何よりも忌み嫌う一族の罪の象徴。しかし、食べずには要られない。
そんな矛盾を抱え、加賀麻は日々トイレで隠れタバコを吸う不良の如く、ココアシガレットを貪っていたのだ。
「頼むよー、売ってくれよ~!カカオマスが無いと俺は夜も眠れねぇんだよ」
「ああ、でもカカオマスなら毎晩かいてるんじゃねぇのかクソが。」
「何の話しだよ!?」
巨体を縮ませて泣く加賀麻を、一文字微太亜は手繰り寄せる。
「全く、しょうがねぇ奴だな。飛んだ豚野郎だ。お前は、救い様の無い最低の屑だ。」
「うう、あう…。」
喧嘩も、バスケでも敵わない。自分に挫折を味わわせた、そんな雲の上の存在がこの時ばかりは足下にひれ伏すのだ。
しかも、こんな加賀麻のみっともない姿を知るのは
世界に一文字微太亜ただ一人だけ…。
「本っ当に仕方のねぇ奴だ。
だが不幸中の幸いだったな、コーヒーと言う名のカフェオレはもう要らねぇから、飲みたきゃ勝手にそうしろし。」
「ありがたき幸せ!」
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