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始業式が開かれ、今日から短い三学期がスタートしようとしていた。
体育館では校長の挨拶の後、高等学部から察仁亭三水が小噺を繰り広げていた。
「先生てぇへんでさあ、鰻が売れなくて困ってるんで、これじゃあうちは商売上がったりなんでさ!何とかして下せぇ。
魚屋に相談を受けたのはかの発明家平賀源内。
そうさな、ではこんな話を広めると良い。土用の丑の日はうの付くものを食べると善い。例えばそう、鰻とか…。
へぇ、有り難うござぇます!
この話は江戸中に瞬く間に広まりまして、魚屋さんは大繁盛を致します。
これが今日までも夏になると鰻を食べる風習の元になったと伝えられております。」
明治加賀麻は彼の一言一句聞き逃すまいと食い入って見入る。
察仁亭三水は羽織を脱ぐ。
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