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俺は訝しげな表情を作る。
「いくよ。」
クライス兄さんはまた一気に俺との間合いを詰め、今度はレイピアと腕を鞭のようにしならせ下から振り上げる。
くっ、さっきより早い。
迫り上がるレイピアを俺は状態を逸らし躱すが、アゴの薄皮を掠め取られ血が吹き出す。
だが、痛いと思うよりも先にクライス兄さんはもう一方の手で続け様の攻撃を繰り出した。
「【#水弾__アクアパレッド__#】」
クライス兄さんの手から水の玉が至近距離で放たれるが、それも俺は飛び上がって身体を捻り躱す。
我ながら今凄い動きをしたのではないだろうかと感心しつつも、クライス兄さんの次の行動に目を向ける。
クライス兄さんは俺の着地と同時に足払いをかけれる様に俺の足元に蹴りを入れる瞬間だった。
なので俺は更に身体を捻り、グルン!と、その遠心力で蹴りを繰り出してみる。
クライス兄さんは、思わぬ俺の攻撃だったのか驚き、直ぐ様防御体制に入り、俺の一撃を受け止めるが吹き飛ばされる形となった。
ドカッ!!
だがやはり、先ほどの相手とは違い転ぶことなく地に足をつけ踏み止まった。
「凄いよ!アル!あの状態からも攻撃できるなんて凄い!だけど、僕だってまだまだだ!」
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