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プオォォオー!!!!
最後に残っている記憶、クラクションの音だ。
目の前に白い靄がかかっている様だ。
それに何人かに呼びかけられている。
「‥!!」
何か叫んでいるようだけど、聞こえない。
それよりも何だか心地よい感じに包まれ、俺はそのまま身を委ねるかの様に目を閉じたーー。
ーーー
〇〇
俺の名前はアルス。
周りにはアルと呼ばれている。
現在の俺の歳は3歳だ。
不思議なことに俺はある事をキッカケに前世の記憶が蘇ったのだ。
「アル様!テーブルの上にのっちゃいけません!落ち‥!?」
注意よりも先に俺は、卓上の上から地面に頭から落ち、気絶。
そして、気がつけば俺は前世の記憶が蘇っていた。
前世の俺は15歳だった。
名前はたしか【月ヶ瀬 辰巳】。
特に成績、運動神経が良いわけでもなく、目立つことを嫌う空気みたいな男だ。
そんな俺は今、鏡の前に佇み口を大きく開き驚きを隠せずにいた。
其処に映っているのは、グレイアッシュ、っぽい綺麗な髪に、目鼻顔立ち容姿端麗。 将来が期待されそうなとても可愛い幼児が映っていたからだ。
それに、この三年間の記憶が無いわけではなく、前世の記憶が戻った今、改めて自分の状況を把握し驚いた所存である。
恐らくこれは転生というものだろう。
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