初戦闘

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初戦闘

試合開始の合図と共に、先に動いたのはクライス兄さんだ。 「まずはお手並み拝見。」 流石はNo. 1なだけあり、先ほどの相手とは比べ物にならぬ速さで、あっという間に俺の間合いに入り込み、レイピアを躊躇なく突き入れる。 俺は咄嗟に抜き取ったダガーで、レイピアの軌道をずらすと、クライス兄さんはそのまま追撃を止め、一旦バックステップで俺の間合いから退いた。 あっぶねぇ~!!後一歩遅かったら刺さってたよマジで!? 「へぇ、今の一撃を躱すなんて‥。正直躱されると思ってなかったよ。」 「正直、俺自身も躱せるとは思ってなかったよ。」 俺がそう返すとクライス兄さんは少し笑う。 「だろうね。その驚き様。」 クライス兄さんが気づくのも無理はない。俺は胸に手を当て、目を見開き肩を鳴らしていたからだ。 「それにしてもアルがこんなに反射神経が良かったなんて。 さっきの一撃を受け止めれるとしたらこの学園だとカルマぐらいだったんだけどな。 ちょっと戦い方を教えるつもりがこれはお兄ちゃん、本気でいかないとマズイかな。」 クライス兄さんはまた爽やかに笑顔を作ると、構えを解くかのように肩の力をダランと落とした。 なんだ?     
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