第2章 先輩の彼女

3/38
57人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「一目惚れですか?」 「はぁ?」 どうして周りの人間って言うのは、男女が仲良く話していると、ニヤニヤするモノなのだろうか。 「別に、先輩とは何もありません。」 「あれ?斎藤さんも、先輩って呼ぶようになったんだ。」 変なところに、気がつく人。 「斎藤。今日の予定は?」 今日の予定? もしかして、私、誘われてる? 「いえ。予定はないです。」 間野さんが、目をパチクリさせる。 「ないわけないだろう。昨日取りに行った本を、書店に持っていかないでどうする?」 「ああ!」 仕事? 仕事の予定? 「そ、そうですよね。朝礼が終わったら、一番に持って行きます。その後は、挨拶周りも兼ねて、書店周りですかね。」 「そっか。頑張れよ。」 「はい。」 あーあ。 朝からとんだ勘違いしちゃったよ。 「ムクククッ。」 ほら、白石さんにも笑われてるし。 「今日の予定は?いえ、ないです。クククッ!」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!