第2章 先輩の彼女

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「もう!人の揚げ足、取らないで下さいよ。」 「はいはい。」 私が少しだけ、口を尖らせたところで、朝礼は始まった。 ちょうど、私の目の前に、間野さんの背中が見える。 シャツを通して、中の肌色が見える。 暑いから、ワイシャツ一枚なのか。 いいなぁ。 私もできれば、シャツ一枚でいたい。 そんな、朝礼や仕事とは一切関係ない事を考えているうちに、朝礼は終わった。 私は直ぐに、物品庫に行き、今日まわる分の販促グッズを袋の中に入れた。 「やる気満々だな。」 声のする方を見ると、間野さんも販促グッズを、取りに来ていた。 「先輩だって。」 「俺は時間配分を気にしてるだけ。」 「時間配分ですか?」 「午前中に仕事が終われば、午後はのんびりできるだろ?」 なるほど。 間野さんらしい。 って、何感心してるんだか。 午前中よりも、午後の方が時間が長いのに。 一体、何しに会社に来てるんだ?
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