真夜中のチョコ

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龍馬らしき男は何も答えずにチョコを食べ続けていた。美千恵はうなされていたらしく、カレシに「大丈夫。」と言われ目覚めた。涙を流していた。突然飛び起きて、「龍馬さーん。」と叫んだ。「美千恵ちゃん、僕は龍馬じゃないよ。キミもファンだったんだね。夢見たんだね。」美千恵は「違うのよ。龍馬が真夜中に居たのよ。チョコ食べてたのよ。」カレシは「まさか。夢だよ。チョコは美千恵ちゃんが食べちゃったんだろう。僕は食べてないよ。」チョコが置いてあったテーブルに駆け寄り、蓋が開けられた箱の中にはチョコレートは入ってなかった。「ウッソー、私、食べてないわよ。」カレシは「じゃあ龍馬が食べちまったのかいな。それなら良いよ。」と笑いながら美千恵が食べた事を酔っていて忘れた。美千恵は自分以外の誰かが食べたとお互いに思っていた。「じゃあ、ブランチ食べに出掛け、キミからのプレゼントと同じ物を買いに行くよ。」美千恵は真夜中の出来事は夢だったんだろうかとチョコを食べた犯人追及よりも今日も一緒にカレシと過ごせる喜びの方が大切だった。またカレシのマンションに戻り今度は二人で食べた甘い休日の午後だった。写真の龍馬の唇にチョコが付いていた事にまだ二人は気付いていなかった。
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