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廃村となったとある田舎、大手企業がそこに巨大なショッピングモールを建てようと計画したのだが、いざ工事をはじめようとすると、重機が突然動かなくなったり、燃えるハズのない資材が炎上したり、作業員達に事故や病気が蔓延した。
それは、廃村で亡くなった村人たちの呪いだとまことしやかに噂され、計画がとん挫しかけた。
それを重く捉えたその企業の上層部は大金を払い藁にも縋る想いで霊能力者を雇った。すると翌日には失神した霊能力者の姿が見つかる。
そのプロジェクトを任されている専務はとあるルートから一人の探偵を紹介され、その人物に依頼する事とした。
その人物は荒事専門の探偵。
どんな問題でも請負着手さえしてくれれば必ず解決してくれると言う。
そして、その人物はその依頼を受け、たった一人で廃村跡へと向かった。すっぽりと頭まで被った動物の耳付きのフード、高価そうなブーツは一歩進むごとに味のある音を鳴らしていた。
少年とも少女ともとれるその人物はある所で足を止めた。
「君が元凶かな?」
見た先には、着物を着た二十代程の男が睨み付けている。そしてその男は口を開くとこう言った。
「出ていけ。ここは悲しい魂が眠る場所だ。荒らしてはならん」
その言葉を聞いて、その人物は瞳孔を開きながら、嬉しそうに嗤った。
「あのさ、ここさ。リオンモール建てるんだって? 知ってるよね? 服やとか雑貨屋とか食事処とか、多分映画館もこの広さなら作るだろうね。だからさ、この邪魔な廃村ぶっ壊させてよ!」
その人物の言葉に男性は顔を歪める。
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